GPS精密解析情報提供サービス Q&A

サービスについて(契約・申込・提供情報)

GPS精密解析情報提供サービスとは何ですか?

全国の電子基準点観測データを活用し、ユーザーが設置したGPS観測点と、電子基準点の位置情報を1日単位で解析した変位情報を提供します。

サービスの特徴は何ですか?

本サービスは、GPS連続観測点と電子基準点の観測データを解析し、位置情報(座標値・基線値等)や各種評価情報を電子メールで提供します。

位置情報の詳しい内容を教えてください。

本サービスより提供する位置情報の内容及びサンプルは以下の通りです。

位置情報区分 内容
座標数値データ ユーザ点や電子基準点の座標数値データ(三次元直交座標(X・Y・Z)、緯度・経度・楕円体高)。
基線数値データ ユーザ点や電子基準点の基線数値データ(東西・南北・比高)。
座標値時系列グラフ ユーザ点や電子基準点の1点毎の緯度・経度・楕円体高または、三次元直交座標(X・Y・Z)の時系列グラフ。
基線値時系列グラフ ユーザ点や電子基準点の2点間の斜距離、東西、南北、比高または、三次元直交座標(⊿X・⊿Y・⊿Z)の時系列グラフ。
変動ベクトル図 ユーザ点や電子基準点の水平変動ベクトル図又は上下変動ベクトル図。(カラー) 各ベクトル図には、GPS連続観測点の番号・名称、行政界、河川、海底等深線、経緯度線、活断層、プレート境界等の表示が可能。

※解析種別にはH1(最終暦使用)とD1(超速報暦使用)があります。
※位置情報はGPS観測日から約3週間後に提供します。
※座標系はITRF2000、楕円体はGRS-80です。

位置情報の提供単位を教えてください。

GPS精密解析情報提供サービスより提供する位置情報の提供単位(契約単位)は、次表の通りです。

位置情報区分 提供単位
数値データ(緯度・経度・楕円体高、X・Y・Z) 1点単位
座標値時系列グラフ 1点単位
基線値時系列グラフ 1基線(2点)単位
変動ベクトル図 1点単位
歪み図 1三角形(3点)単位

※位置情報の提供方法は、予め契約者の指定した電子メールアドレス(1契約1アドレス)に上表の位置情報ファイルを添付して1日更新で送信します。

位置情報の具体的な注文方法を教えてください。

位置情報のご注文は、必要事項をご記入の上、日本測量協会へお申し込みください。ご注文方法および提供料は下表をご参照ください。

              
位置情報区分 注文方法提供料
数値データ 契約者区分(二次配信契約者/一般契約者)に応じたユーザ点又は電子基準点の局番号、局名称を記入した紙片をご提出ください。
契約者区分(二次配信契約者/一般契約者)の数量に応じた提供料
座標値時系列グラフ 数値データの提供を希望するユーザ点又は電子基準点の中から座標値時系列グラフの作製を希望する旨を記入した紙片をご提出ください。
座標値時系列グラフの数量及び解析頻度に応じた提供料
変動ベクトル図 数値データの提供を希望するユーザ点又は電子基準点の中から変動ベクトル図の作製を希望する旨を記入した紙片をご提出ください。
変動ベクトル図の数量及び解析頻度に応じた提供料
基線値時系列グラフ 数数値データの提供を希望するユーザ点又は電子基準点の中から基線値時系列グラフの作製を希望する旨を記入した紙片をご提出ください。
基線値時系列グラフの数量及び解析頻度に応じた提供料
歪み図 数値データの提供を希望するユーザ点又は電子基準点の中から歪み図の作製を希望する旨を記入した紙片をご提出ください。
歪み図の数量及び解析頻度に応じた提供料

※ご不明な点が御座いましたら日本測量協会までお気軽にお問い合わせください。

GPS精密解析情報提供サービスで取り扱う電子基準点について教えてください。

本サービスで取り扱う電子基準点は、国土地理院が観測データ(RINEXデータ)を公開している電子基準点です。電子基準点は随時更新されるため、最新情報をご確認ください。

位置情報の数値データ(POS形式)とは何ですか?

数値データ(POS形式)とは、GPS連続観測点の位置情報を記録したテキストファイル(文字コード:EUC)です。ファイルには、観測点の番号・名称のほか、解析に使用したソフトウェアやGPS衛星軌道暦、座標系、位置情報(X・Y・Z座標、緯度・経度・楕円体高)が記載されています。

GPS精密解析情報提供サービスから提供する「PS形式ファイル」とは何ですか?

PS形式ファイルとは、Adobe Systems社が開発したページ記述言語(PostScript)で作成された画像ファイルです。本サービスでは、座標値時系列グラフ、基線値時系列グラフ、変動ベクトル図、歪み図などの解析結果をPS形式で提供しています。PDF形式での提供も可能です。

技術情報・活用方法

地殻変動とは何ですか?

地殻変動とは、地球内部のエネルギーによって地殻の一部が変位・変形する現象です。これにより、地盤の隆起・沈降や断層・褶曲などが生じます。地殻変動には、地震や火山活動に伴う短期的なものから、プレート運動や地盤変動による長期的なものまでさまざまな種類があります。近年では、GPS連続観測により、「サイレント地震」や「余効変動」などの非地震性の地殻変動も観測されています。

GPS衛星の軌道情報とは何ですか?

軌道情報とは、GPS/GNSS衛星の位置を計算するためのデータです。主に「放送暦」と「精密暦」の2種類があり、放送暦は測位信号に含まれる軌道情報、精密暦は観測データをもとに高精度に算出された軌道情報です。精密暦には高精度な衛星時計情報も含まれ、IGSが作成・公開しています。

軌道情報(暦)の違いは何ですか?

精密暦には提供タイミングに応じて3種類の暦があります。ユーザは、これら暦の精度や用途によって選択できるようになっています。以下に精密暦の種類及びGPS/GNSS軌道情報の精度等を示します。

暦の種類 最終暦(Final) 速報暦(Rapid) 超速報暦(Ultra-Rapid)
決定/予報値
時間遅れ
決定値
約2週間
決定値
17時間
決定値
3時間
予報値
即時
提供頻度 1週間毎 1日毎 6時間毎
時間間隔 軌道 15分 15分 15分
時計 5分 5分 15分
位置精度 軌道 <5cm <5cm <5cm 10cm
時計 <0.1ns 0.1ns 0.2ns 5ns

※時間遅れは平均値、精度は公称精度。

GPS精密解析情報提供サービスではどの暦を使っているのですか?

A.本サービスでは、1日更新で提供する位置情報には超速報暦を、約3週間後に提供する位置情報には最終暦をそれぞれ利用しています。1日更新で提供する位置情報は、国土地理院ホームページで公開されるGPS観測データ(UTC:0:00~23:59:59の24時間データ)の取得後に解析を開始します。超速報暦はUTC:0:00の暦を使用しています。

 

参考として、基線測定誤差の概略計算例を以下に示します。超速報暦を利用した毎日提供する位置情報が速報値として、最終暦を利用した解析情報と遜色のない精度であることが分かります。



参考:基線測定誤差=衛星の位置誤差÷衛星までの距離

放送暦     : 100㎝÷2,000,000,000=5×10-8

超速報暦    : 5.6㎝÷2,000,000,000=2.8×10-9

最終の精密暦  : 5㎝÷2,000,000,000=2.5×10-9

IGSとは何ですか?

IGS(International GNSS Service)は、1994年に設立された国際的なGNSS観測・解析機関です。世界各国の観測データをもとに、GPS/GNSS衛星の高精度な軌道情報や地球観測データを提供し、測地学や地球科学の研究を支援しています。

海洋潮汐モデルは何を使用していますか?

GPS精密解析サービスでは、国立天文台が開発した海洋潮汐モデル(NAO.99シリーズ)を使用しています。また、潮汐補正には11分潮を採用し、解析プログラムにはGOTIC2を使用しています。

GPS精密解析情報提供サービスの位置情報がライフライン施設、ダム、長大橋及びトンネル等の変動・変位の監視等に利用可能な理由を教えてください。

GPSの高精度化と連続観測技術の発展により、地盤や構造物のわずかな変位・変動を長期間にわたり監視できるようになりました。特に全国の電子基準点網(GEONET)の整備により、地震、地すべり、地盤沈下のほか、ライフライン施設、ダム、長大橋、トンネル等の変位監視に活用されています。

ユーザ点を設置する利点を教えてください。

ユーザ点を設置することで、ライフライン施設、ダム、長大橋、トンネルなどの構造物や、その周辺地盤の変位を高精度に監視できます。24時間連続観測により、わずかな変動も継続的に把握できるほか、観測データを通信回線で取得することで、現地でのデータ回収作業の手間やコストを削減できます。

地方公共団体の防災都市計画や企業の業務継続計画(BCP)等へ利用可能な理由を教えてください。

本サービスの位置情報は、地殻変動を高精度に把握し、その規模や範囲を長期的に評価することができます。そのため、地方公共団体の防災計画や企業の業務継続計画(BCP)の策定・見直しに活用できるほか、地震発生時の被害推定や迅速な初動対応にも役立ちます。

位置情報を利用する上で注意することは何ですか?

位置情報には、地殻変動に限らず幾つかのノイズが含まれています。このノイズには、可逆的な変動と非可逆的な変動があります。以下に各変動の主な原因を示します。

解析情報に現れる
変動の区分
ノイズの主な原因
可逆的な変動 積雪、磁気嵐、豪雨等の一時的な気象擾乱
非可逆的な変動 GPS連続観測点の保守作業(樹木の伐採含む)、ピラー傾斜、地殻変動、地すべり等

可逆的な変動は、一定期間後に元の状態へ戻る変動です。過去の観測値と比較することで、ノイズを超える変化を検出できます。
非可逆的な変動は、一度変化すると元の状態に戻らない変動です。変化を把握するためには、長期間の監視が必要です。
なお、電子基準点の保守作業や周辺環境の変化により、位置情報へ影響が生じる場合があります。

この位置情報を利用して基本測量や公共測量ができますか?

本サービスで提供する位置情報(緯度・経度・楕円体高、X・Y・Z座標)は、地殻変動や構造物の変位監視、施工管理等を目的としたものであり、基本測量および公共測量には使用できません。